一人暮らしを始めた頃、料理なんて全くといっていいほどしなかった。ほとんどコンビニや近くの定食屋で晩飯は済ませていた。
生活用品を買い揃えた時に料理をするなど考えもしなかったけど、お湯を沸かす程度はするだろうとガステーブルは買った。でも買う時に一口コンロで 十分なのだが、もしかして料理をすることがあるかなぁと、後で後悔するよりは買っておいた方がいいのではと魚が焼けるグリル付のコンロを購入。
ついでにホームセンターで、やかんを購入した。生活用品が陳列したコーナーに鍋やフライパンなども置いてある。その時も料理することがあるかなぁと思ったので、 鍋やフライパンなどもついでに買っちゃいました。
買ったはいいけど、使うのはやかんでお湯を沸かす程度。鍋やフライパンにまな板とか包丁などは封も開けず、半年ぐらいそのままだった気がする。 そんな封も開いていない鍋やフライパンを見て、なんか作ってみようかなぁと思ったけど、料理とはいえないけ目玉焼きとかぐらいからはじめてみた。
せっかく鍋やフライパンがあるんだから何か作ってみようと、ある日仕事も普段より早く終わったんで、帰りにスーパーへ買出しに。何を作ろうかなんて考えていたが、料理を した事がないのでレパートリーもなく、スーパーへ着いた。
スーパーに着いた時、ふと入り口に貼ってあったおすすめの広告に目をやった。カレーのルーが本日お買い得と・・・。よし、カレーでも作るか!
と、食材を探しにカゴを手に店の中へと入っていった。しかし、カレーって何入ってたっけ・・・。
その時思ったのは、おかんが料理していたのを思い出していた。
俺は母子家庭だったから、幼少の頃よく横で料理を手伝っていた事があって、小学生の頃だったかな・・・。野菜を切ったり、買出しに行ったり。自分の中のイメージでは、 料理といっても材料を切ったりする事はあっても、一から料理をした経験がなかったなぁ。
そこでスーパーのおばちゃんに、色々とカレーの作り方を一から教えてもらった。親切にメモ書きまでしてくれたのを覚えている。メモを見ながら食材買って、早速料理の開始。
包丁の使い方は幼少の頃に手伝われていた経験から、結構慣れていたし、苦にはならなかったが、なんせ久しぶりに野菜などを切るから少し緊張気味。 ここでもおばちゃんの書いたメモを見ながら、慣れない手つきでカレーを作る。そうこうしているうちに何とか形になってカレー料理の完成だ。
ここで一つ問題が・・・。せっかくのカレーだけどご飯を炊くのを忘れ、慌てて米を買いに。なんだかんだいいながら、本当にカレー料理の完成。
何時間かかったのか分からないけど、早速晩飯にありつける。味は、濃くもなく薄くもなくちょうどいい感じで、始めての料理としてはいい方だと思った。 これぞ、男の料理!言いすぎたかな・・・。
鍋一杯に作りすぎて、3日間カレーだったけどね。
それから、ちょくちょく料理をするようになった頃、テレビで料理人が鍋を振る仕草を見た時に俺もできるかなとチャレンジしてみた。 案の定、フライパンからボロボロこぼれるし、上手く混ざりあう気配もない。なかなか難しい。素人なんだから当たり前なんだけど、悔しい。
料理が上手くなりたいとか、そういう気はなかったが、どうしてもフライパンや鍋を上手く振ってみたいと思い練習してた。いらなくなった鍋をもらってきて、 アパートの裏がちょうど山だったから、人に見られると恥ずかしいから人気のない場所で、毎日鍋の中に適度な砂を入れて振る練習をした。
練習で上手く振れるようになったんで、試しに料理の最中にチャレンジしてみた。結構上手く鍋が触れて、野菜たちが踊りように混ざり合うようになり、 出来上がりが以前と違い美味しく見える。なんかねぇ・・・料理が楽しくなった・・・気がする。
それからというもの、魚の三枚下ろしも練習したっけ。
楽しくなると誰かに食べさせたくなるね。店でもだそうかなぁ・・・と、調子にのっていた男の料理でした。